現場が求めたのは、「処理」ではなく「循環」だった
―― 建設副産物の未来を変える、サガ・コア&カッター工業の選択

汚泥処理の現場に、変化の兆し
道路切断やコンクリート工事に欠かせないのが冷却水。
その裏側で、必ず発生するのが「カッター汚泥」と呼ばれる副産物だ。
この汚泥は、産業廃棄物として処理施設へと運ばれ、
厳格な基準に基づき適正に処理される。
サガ・コア&カッター工業も、自社の処理施設を持ち、その工程を担ってきた。
現在もなお、この方法は多くの現場で主流であり、重要な社会インフラの一端を担っている。
しかし現場の状況が多様化し、より効率的で柔軟な施工が求められる中で、
新たなニーズが生まれつつある。
「汚泥処理を、その場で完結できたら現場はどう変わるのか。」
「使い終えた水を、再び現場の資源として循環させることはできないのか。」
その発想から生まれたのが、サガ・コア&カッター工業による「移動式中間処理システム」である。

運ばずに“その場で完結”。移動式処理機の力
このシステムは、発生したカッター汚泥を現場内で直接処理し、
泥分と水分に分離。処理土としての再利用を可能にすると同時に、
現場内で使える施工水としての再活用も実現した。
特筆すべきは、設備一式がトラック搭載型の移動式ユニットである点だ。
・狭小地や都市部でも設置が可能
・準備から処理までがスピーディ
・使用後は即撤収、現場の負担が少ない
従来型の施設処理と異なり、「現場ごとに出向き、その場で完了する」ことで
廃棄物処理にかかる工程を大幅に削減し、“運ばない施工”を実現している。
再資源化だけではない、現場メリットの広がり
移動式中間処理による効果は、単なる汚泥の削減にとどまらない。
現地での処理により、再利用可能な水がすぐに得られるため、
冷却水・洗浄水として即時活用でき、新たな給水の手配も不要となる。
結果として、
・トラック1台で完結
・水道使用量の削減
・産廃契約や管理の簡素化
・CO₂排出量の抑制
といった、時間・コスト・環境負荷の三位一体の削減が可能になる。

その現場に、最適な選択肢を
もちろん、すべての現場でこの方式が適用できるわけではない。
大量処理や長期案件では、従来の処理施設による安定処理が最適な場合もある。
だが、処理の選択肢を「運ぶ/運ばない」で選べるということは、
現場にとって大きな自由度をもたらす。
必要なときに、必要な場所で、完結できる。
それが移動式中間処理の本質的な価値である。
建設副産物に“出口”ではなく、“活路”を
サガ・コア&カッター工業が提案するこの新しい施工スタイルは、
単に「廃棄物を減らす」という取り組みにとどまらない。
それは、“現場で生まれたものを、現場で循環させる”という思想そのものだ。
捨てない。活かす。再び使う。
現場の声から生まれた実践的な解決策は、
やがて建設現場の常識を変える、新たな標準になるかもしれない。
