【ハツリ特集】見えない場所に、確かな手を。
― ハツリ工事という名の「整える技術」

■ ハツリ工事 ― 見えない部分を「整える」仕事
削る作業は、表面だけに留まらない。
ハツリ(斫り)工事では、浮きや剥離が起きたコンクリートを除去し、
健全な部分と再生する材料が、しっかり密着するよう整える。
削るべきか、残すべきか。
その判断に、図面はヒントをくれるが、決め手にはならない。
ピックの先に伝わる振動の変化、
コンクリートから返ってくる“音”の違いを頼りに、
刃を止める位置を見極めていた。
「数字じゃ測れない。でも“手”にはちゃんと伝わる」
それは、積み重ねてきた現場でしか養われない感覚だった。

削りすぎれば、構造にダメージが出る。
残しすぎれば、新しい材料が密着しない。
ハツリ作業は、「ちょうどよく削る」ことが最も難しい。
ピックの角度、打撃の強さ、削るスピード――
すべてを微調整しながら、現場は進んでいく。
振動と音だけを頼りに、
「あと数ミリ」を感覚で仕上げるのが、熟練の技だ。
ときには、橋の裏側や狭いピット内での作業もある。
前傾姿勢のまま数時間、機械を支え続けることもある。
だが、誰ひとり不満をこぼす様子はない。
むしろ静かに、淡々と、正確に。
職人たちは、削るごとに“現場を整えていく”。

削り終えた断面に、手を添える。
ざらつきの奥に、微かに湿った感触が残るコンクリートの肌。
それはまだ荒々しさを帯びながらも、次の工程を受け入れる準備ができていると感じさせた。
そこに誰の名前も残らない。
でも確かに、丁寧に積み重ねられた“仕事の跡”は残る。
見えない場所に、確かな手を。
サガ・コア&カッター工業のハツリ工事は、今日も静かに、未来へとつながっていく。
迷っているなら、それは一歩目の合図かもしれない。
もしこの記事を読んで、
「ちょっと気になる」「でも不安かも」と思った方がいたら、伝えたいことがあります。
やってみないと、わからない。
そして、現場って、想像以上におもしろい場所です。
音や振動に集中し、仲間と息を合わせて一つの工程を仕上げていく感覚。
そのひとつひとつが、誰かの生活や安全を支えている。
少しでも興味を持ってくださったなら――
まずは、見に来てみませんか?
この現場には、きっと想像を超える「リアル」があります。