パルスレーザー(アブレーション)とは?非熱加工がレーザーケレンに適している理由
アブレーション加工とは
レーザーケレンで使用されるパルスレーザーは、「アブレーション」という現象を利用して塗膜やサビを除去しています。
アブレーションとは、高エネルギーのレーザー光を極めて短い時間だけ照射し、物質を瞬時に蒸発・飛散させる加工方法です。
従来のように熱で溶かしたり削ったりするのではなく、付着物だけを瞬間的に除去するため、母材への影響を大幅に抑えることができます。
橋梁補修や鋼構造物塗装塗替工事では、このアブレーション加工が高品質な素地調整を実現する重要な技術となっています。

パルスレーザーは熱が広がる前に加工が完了する
パルスレーザーは、ナノ秒以下という非常に短い時間だけレーザーを照射します。
照射されたエネルギーは塗膜やサビに集中し、物質は瞬時にプラズマ化・蒸発・飛散します。
加工が終わる頃には、まだ熱が周囲へ広がる時間がないため、鋼材(母材)への熱影響を最小限に抑えることができます。
つまり、
熱で焼き取るのではなく、瞬間的に飛ばす。
これがパルスレーザー最大の特徴です。
熱影響層(HAZ)が非常に小さい
通常の熱加工では、加工部分だけでなく周囲にも熱が伝わります。
その結果、
鋼材の変形
残留応力
材質変化
焼け
などが発生することがあります。
この熱が影響した範囲を**熱影響層(HAZ:Heat Affected Zone)**と呼びます。
一方、パルスレーザーによるアブレーション加工では、熱が周囲へ伝わる前に加工が完了するため、HAZは極めて小さく抑えられます。
橋梁補修では、この「熱影響層の小ささ」が施工品質を左右する重要なポイントです。
「非熱加工」「クール加工」と呼ばれる理由
パルスレーザーによるアブレーション加工は、熱によって母材を加工する従来工法とは異なるため、
非熱加工
あるいは
クール加工
と呼ばれることがあります。
もちろんレーザーにはエネルギーがあるため熱は発生しますが、その熱が母材へほとんど伝わらないことから、このような名称で呼ばれています。
熱による変形や焼けを抑えながら、高品質な施工ができることが最大の特長です。
レーザーケレンで得られるメリット
アブレーション加工を利用したレーザーケレンには、多くのメリットがあります。
母材を傷めにくい。
熱影響を最小限に抑えられる。
塗膜・サビ・塩分・油膜だけを効率よく除去できる。
複雑な形状や狭い箇所にも対応しやすい。
塗装の密着性向上につながる高品質な素地調整が可能。
橋梁や鋼橋、水門、トラス橋など、施工品質が重視される鋼構造物補修に適した工法です。
サガ・コア&カッター工業のレーザーケレン
サガ・コア&カッター工業では、パルスレーザーによるアブレーション技術を活用し、橋梁補修・鋼構造物塗装塗替工事におけるレーザーケレン施工を行っています。
母材への熱影響を抑えながら、高品質な素地調整を実現するとともに、局所集塵機や有毒ガス集塵機を組み合わせ、作業者と周辺環境に配慮した安全な施工を提供しています。
まとめ
パルスレーザーによるアブレーション加工は、付着物だけを瞬時に蒸発・飛散させることで、母材への熱影響を最小限に抑える次世代の加工技術です。
熱影響層(HAZ)が非常に小さいため、橋梁補修や鋼構造物補修において、鋼材本来の品質を維持したまま高品質な素地調整が可能となります。
レーザーケレンは、このアブレーション技術を活用した工法として、施工品質・耐久性・環境性能を兼ね備えた新しい補修技術として期待されています。

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